日本の家の寿命が短い理由―性能編ー
2019.05.31
こんにちは。
スタイルカンパニーの吉岡和也です。
先回のブログで、日本の家の寿命が短い理由に、「性能」があると書きました。
性能問題には大きく分けて、「断熱」「劣化・メンテナンス」という2つの問題があると私は考えます。
今日は、断熱について書きます。
日本の気候は四季があって梅雨があって過酷、という人もいますが、世界の先進国の中で日本より過酷な国はいくつもあります。
高温・多湿・極寒などなど。。。
けれど、それらの地域のお家は日本より寿命が短いのでしょうか?
総じて日本より、家の寿命は長いんです。
なにが違うのか。
それは、「断熱」と「換気」についての考え方が違うんです。
日本の家は昔から、夏快適に住むことができるように考えられてきました。
冷房に関する設備がなかったので、風通しを良くし、快適に過ごそうと考えました。
じゃあ冬の暖房はどうだったの?
平安時代~江戸の頃の暖房は火鉢や囲炉裏です。
寒いときは厚着をして、この頃は手元だけを暖める暖房器具です。
江戸末期から明治に入り、石炭が燃料として登場。石炭のストーブが出てきました。
そこから今度は石油ストーブやファンヒーターに進化します。
火鉢や囲炉裏の頃は、部屋全体を暖めるという考え方がなかった(できなかった)ので、家の造りもそのまま。
各部屋の仕切りは障子や襖で壁はあまりなく、外壁はあっても雨戸くらいのものですよね。
壁はあっても土壁が少しあるくらいです。
風通しも良すぎるので、火鉢や囲炉裏をガンガン焚いても結露はしませんでした。
じゃあ、暖房器具の進化とともにお家の性能も変わっていったのか?
そこが問題なんです。
石油ストーブが登場する時代、お家の壁は土壁が主流でした。
しかし土壁だけでは隙間風が入ってくる、ということで壁に板を貼るようになりました。
(これは暖房だけの意味ではなく、構造面の理由もあるとおもいます)
そうすると風は入ってこないんだけど、土壁は断熱性能が劣るので、板を貼って暖房のスイッチを入れると壁の中で結露してしまう、という現象が起こるようになりました。
このころはまだ断熱という考え方がなかったので、当然です。
壁の中で結露が起こると柱や土台という、木でできている部分が湿って、そこにシロアリが寄ってきたり、腐ってしまったり、そんな現象が起こり、一般の住宅は30年くらいで建替えて当たり前だ、という認識が広がってきてしまったんだと思います。
じゃあ世界はどうなの?
アメリカやカナダのすごく寒い地域でも、昔は土壁を使っていました。けれど、壁の厚みがすごく厚いんです。
日本の土壁の3倍、4倍以上の厚みの壁もありました。
そして、「断熱材」が開発されました。海外では大工さんだけでなく、一般の人も断熱の大切さをよく知っています。
アメリカ・カナダ・ヨーロッパでは、場所によって気温が暑すぎたり寒すぎたり、ずっと雨が降っていたり。。。そんな環境の中、命を守るために断熱の大切さを理解し、結果的に快適に暮らせるようになったのです。
韓国の寒い地域でも、昔から障子の紙を重ね張りして厚くして断熱効果を持たせる、という技術がありました。
暖房に合わせて家の断熱性能が上がっていけば、快適なだけでなく、結露を防ぐことができたので家の寿命ももう少し長持ちしていたかもしれません。
断熱性能がなかったので日本の家の寿命が早まってしまった、というお話でした!
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