輸入住宅は日本の気候に合わない??
2019.05.18
アメリカやカナダ、ヨーロッパから輸入した材料を使って造る、輸入住宅。
「日本は高温多湿だから、海外からの輸入住宅は日本の気候に合わないんじゃない?」
「日本の気候に合った昔からの工法で建てないと日本では長持ちする家は出来ないよ。」
そんな言葉をきくことがあります。
それって本当なんでしょうか?
私たちは、日本の軸組み工法も、アメリカから来た2×4工法も造ってきました。
両方知っている者として、冷静な意見を書きたいと思います。
まず、気候です。
日本は高温多湿と言われます。たしかに。
世界の気候はどうなのでしょうか?
高温に関していうと、日本と同じか、日本より気温の高い地域は結構多いです。
テキサス州では最高気温が36度くらい。
カリフォルニアのデスバレーは最高で57度を超えるといわれています。暑すぎますね。。。
湿気は?
実は、日本より湿気の高い国って結構あるんです。
わかりやすいところで行くと、カナダのバンクーバー。
旅行に行った方は、カナダって晴れてて爽やかで、雨なんか降らないんじゃない?って思われるかもしれませんが。。。
実は、10月~5月くらいまでは雨季で、ほぼ毎日雨がシトシト降り続き、毎日空は曇っているんです。
日本人は乾季に旅行に行く方が多いので、実はご存じない方もいらっしゃるかもしれませんね。
世界には様々な気候がありますが、その中の大体どこの地域でも建っているのがツーバイ工法なんです。
日本の気候には日本で育った木が合うんだ、というご意見。
それはその通りだと思います。
ただ、それは気温と降水量の話。
日本の気温、降水量に近い地域で採れた木であれば、日本に合うんです。
逆に日本で使うのに、カリフォルニアのあたりで採れた木を使ったら日本の気候には合わないんです。
工法と材料は別の話なんです。
輸入住宅が腐ったり、雨漏りしたりする、というのは造り手の問題です。
輸入住宅でも、カリフォルニア(雨が少ない)の家とシアトルの家(雨が多い)では細かな造り方が違うんです。
カリフォルニア(暖かい)の家とトロント(寒い)の家では造り方が違います。
造り手が気候を知り、それをしっかり考え、気候に合わせた造り方をしなければ、当然腐ってしまいます。
バブルのころ多くの輸入住宅が建てられ、それが次代に残らなかったことの一因は、そこにあると思います。
結論、しっかりと考え、きっちり工事をした輸入住宅は日本でも全く問題がないと私は考えます。
次回は、日本の家と海外の家、寿命が長いのはどっち?のお話を書きたいと思います。